ネパリに見られる傾向

<ネパリに見られる傾向>

全般的に権威に柔順です。尊厳を認め、信頼や期待を率直に伝えて励ますなら、さらに素直に答え応じよく働きます。幼い頃から近所の子と泥んこになり、鼻を垂らして野原を駆け回ります。腹の底から笑い、優しく朗らかで、仲間とうまくやっていくコツを学んでいます。現代の病んだ日本社会において、これらの美徳は癒しでさえあるでしょう。

帰属意識が強い分、依存心も強く、すぐに馴れ馴れしくもなります。カーストによる長年の支配で、人を上下で見る傾向も強く見られます。それでも人権意識がまだまだ希薄なため、日本人のように権利を主張したり、それを盾に反発することはまずありません。かつてマレーシアに渡航した際、勤勉さと正直さの点でネパリ労働者たちが、他国のそれより頭二つは飛び出て高い評価を得ていましたが、それは今も変わっていないようです。全体にはあまり深く思考しないため、責任感を持って働くところまでは成長せず、なかなか仕事が任せられないと多くの日本人経営者が頭を抱えてきました。それでも、職場の人間関係でメンタルが病むという事はほとんど無く、仮にあっても病む前にさっさと辞めてしまうほど引き摺りません。

確かに経営は、単なる人助けでは済まされません。いつまでも甘えたことを言うようなら、解雇もやむを得ないでしょう。それでも大概のネパリは、受けた恩をとても大切にし、いつまでも忘れません。中には決して裏切ることのない忠臣になれば、家族のように結ばれたり、生涯の友にすらなる人もいます。単なる雇用関係・主従関係を超越した、すばらしい人間関係へと昇華することもあるのです。これらの事実は、ネパリの人選と扱い方がいかに大切か、雄弁に物語っているのです。ゆえに、誰に力を注ぐべきかを正確に判断することが、最初の重要戦略と言えます。

© 2019 UNOES